法人税・消費税の中間申告と納付|前期実績と仮決算の選び方

法人向け

設立2期目以降、前期にある程度の納税があった法人には、事業年度の途中で法人税や消費税の「中間申告」の納付書が届きます。3月決算の会社なら11月末が納期限です。この記事では、中間申告の対象になる基準と、「前期実績(予定申告)」と「仮決算」どちらを選ぶべきかをわかりやすく解説します。

中間申告とは|税金の前払い制度

中間申告とは、事業年度の途中で税金の一部を前払いする制度です。原則として、事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内に申告・納付します(3月決算なら4月〜9月分を11月末までに納付)。前払いした金額は、決算後の確定申告で年間の税額から差し引いて精算します。

法人税の中間申告|前期の法人税額20万円超で対象

法人税の中間申告は、前期の法人税額×6÷前期の月数が10万円を超える場合に必要です。前期が12か月の場合は、前期の法人税額が20万円を超えるかどうかが目安になります。前期実績による予定申告では、この「前期の法人税額の半分」を納付します。

設立第1期の法人は、前期がないため中間申告は不要です。また、法人税の中間申告の対象になると、地方法人税や法人住民税・事業税もあわせて中間納付することになります。

消費税の中間申告|前期の消費税額48万円超で対象

消費税の中間申告は、消費税の課税事業者である法人が対象です。免税事業者は原則として中間申告の対象になりません。対象になる回数は、前期の確定消費税額のうち国税分(地方消費税を除いた部分)で決まります。

前期の確定消費税額(国税分)中間申告の回数納付額
48万円以下原則不要(届出により年1回可)
48万円超〜400万円以下年1回前期の税額の2分の1
400万円超〜4,800万円以下年3回前期の税額の4分の1ずつ
4,800万円超年11回前期の税額の12分の1ずつ

※前期の確定消費税額が48万円以下でも、「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」を事前に税務署へ提出すれば、年1回の中間申告を選択できます。

年1回の場合、3月決算の法人では法人税の中間申告と同じく11月末が納期限です。実際の納付では地方消費税分もあわせて納めます。

「予定申告」と「仮決算」の違い

中間申告には、前期実績をもとにする予定申告と、上半期を一つの事業年度とみなして決算を組む仮決算の2つの方法があり、どちらかを選べます。

項目予定申告(前期実績)仮決算
納付額前期の税額の半分上半期の実績から計算
手間届いた納付書で納付するだけ仮決算と申告書の作成が必要
向いているケース業績が前期並みか上向き業績が前期より大幅に悪化

中間申告書を期限までに提出しなかった場合は、予定申告があったものとみなされるため、実務上は納付書のとおり納付すれば手続きは完了します。

仮決算を選ぶときの注意点

  • 仮決算の結果、消費税の中間申告額がマイナスになっても、中間申告の段階で還付は受けられない。法人税も原則として中間納付額を0円にとどめ、年間の精算は確定申告で行う
  • 法人税では、仮決算による法人税額が予定申告額を超える場合、仮決算方式は選べない。一方、消費税は各中間申告対象期間ごとに、前期実績方式か仮決算方式かを選択できる
  • 期限内の提出が必須。遅れるとみなし規定により予定申告額で確定する
  • 決算作業に近い事務負担がかかるため、削減できる納付額と手間を比較して判断する

中間納付の経理処理と精算

中間納付した法人税等は「仮払法人税等」などで処理し、決算で年間の税額から差し引きます。年間の税額のほうが少なければ、納めすぎた分は確定申告で還付されます。業績が安定している会社ほど、中間納付を見越して納税資金を毎月積み立てておくと資金繰りが安定します。

まとめ

  • 中間申告・納付の期限は事業年度開始から6か月経過後2か月以内(3月決算なら11月末)
  • 法人税は前期の法人税額20万円超(12か月決算の場合)、消費税は国税分48万円超で対象
  • 何も提出しなければ予定申告のみなし扱いになり、納付書どおり納めれば完了
  • 業績が前期より大幅に悪化しているときは仮決算で納付額を抑えられる(中間段階での還付は不可・期限内提出が必須)
  • 中間納付分は確定申告で精算され、納めすぎは還付される

参考資料

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