ホームページ制作費・ソフトウェア購入費の経理処理|経費と資産計上の分かれ目

法人向け

ホームページの制作費や会計ソフト・業務ソフトの購入費は、ほとんどの事業者に発生する支出ですが、「全額その年の経費になるのか、資産として計上するのか」の判断に迷いやすい費用です。この記事では、ホームページ制作費とソフトウェア購入費の経理処理を、金額や内容ごとの判断基準でわかりやすく解説します。

ホームページ制作費の基本は広告宣伝費

会社案内や商品紹介など、広告宣伝を目的として作成し、内容を随時更新していく一般的なホームページの制作費は、広告宣伝費として処理するのが一般的です。

ただし、公開後ほとんど更新せず、効果が1年以上続くようなものや、システム機能を含むものは、内容に応じて繰延資産やソフトウェアとして資産計上が必要になる場合があります。定期的に更新しているホームページであれば、経費処理しやすいといえます。

プログラム機能があると「ソフトウェア」になる

ホームページの中でも、次のようなプログラム部分は広告宣伝費ではなく、無形固定資産のソフトウェア(耐用年数5年)として資産計上が必要です。

  • オンライン予約・ショッピングカートなどの機能
  • 会員ログイン機能やデータベースとの連携部分
  • 検索システムなど独自開発のプログラム

制作費にデザイン部分とプログラム部分が混在している場合は、見積書や請求書で内訳を区分してもらうと経理処理がスムーズです。

ソフトウェア購入費は金額で判断する

会計ソフトや業務ソフトを買い切りで購入した場合は、取得価額によって処理の目安が変わります。

取得価額処理の目安
10万円未満消耗品費などで全額経費にできます。
10万円以上20万円未満原則は資産計上して減価償却しますが、一括償却資産として3年で均等償却する方法を選べます。青色申告の中小企業者等であれば、30万円未満の少額減価償却資産の特例で全額経費にできる場合もあります。
20万円以上30万円未満原則は資産計上ですが、青色申告の中小企業者等であれば、少額減価償却資産の特例で全額経費にできる場合があります(年間300万円まで)。
30万円以上無形固定資産「ソフトウェア」として資産計上し、通常は5年で減価償却します。

なお、少額減価償却資産の特例は時限措置です。適用できる期間が延長されながら続いていますが、購入のタイミングでは念のため最新の適用期限を確認しておくと安心です。

クラウド型(サブスク)のソフトは支払時の経費

最近主流のクラウド型(SaaS)の会計ソフトやツールの月額・年額利用料は、ソフトウェアを「購入」しているわけではないので、支払時に通信費や支払手数料などで経費処理できます。年払いの場合も、支払日から1年以内の役務提供分であれば、短期前払費用の取扱いにより継続適用を条件として支払時の経費にできます。

ただし、契約期間が1年を超えるものや、毎年処理方法を変えているものは、短期前払費用として認められない場合があります。年払いの契約書や請求書で、対象期間を確認しておきましょう。

保守費用・更新費用・ドメイン代の処理

ホームページ公開後にかかる保守費用、サーバー代、ドメイン代、軽微な更新費用は、通常は支払時の経費として処理します。勘定科目は、通信費・支払手数料・広告宣伝費など、内容に応じて使い分けます。

一方、大幅なリニューアルや、新しい予約機能・会員機能・EC機能の追加など、ホームページの価値や機能を高める支出は、単なる修繕や更新ではなく、資産計上が必要になる場合があります。

まとめ

ホームページ制作費は「宣伝目的で更新するものは広告宣伝費」「予約・EC機能などのプログラム部分はソフトウェアとして5年償却」が基本です。ソフトウェア購入費は10万円・20万円・30万円のラインで処理の目安が変わり、少額減価償却資産の特例(時限措置)も選択肢になります。クラウド型の利用料は支払時の経費、公開後の保守・更新費用も原則は経費ですが、大幅なリニューアルは資産計上が必要になる場合があります。金額の大きい制作・開発は、契約前に内訳と処理方法を確認しておきましょう。

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