減価償却をわかりやすく解説|個人事業主が知っておきたい経費計上のルール

節税

パソコンや車、機械設備など、高額な資産を購入したとき「全額すぐに経費にできないの?」と思ったことはありませんか?これには減価償却というルールが関係しています。

この記事では、減価償却の仕組みから計算方法、個人事業主が使える特例まで、わかりやすく解説します。

減価償却とは?

減価償却とは、高額な資産の購入費用を、使用できる期間(耐用年数)にわたって分割して経費にする仕組みです。

たとえば100万円のパソコンを購入した場合、購入した年に100万円を全額経費にするのではなく、数年にわたって少しずつ経費として計上します。これは「資産は時間とともに価値が減っていく」という考え方に基づいています。

なぜ一括で経費にできないのか

高額な資産は購入した年だけでなく、複数年にわたって事業で使われます。そのため税務上は「使った期間に応じて費用を配分する」のが原則です。購入年だけに費用を集中させると、その年だけ極端に利益が減ってしまい、適正な課税ができなくなるためです。

減価償却の対象になる資産・ならない資産

対象になる主な資産

  • パソコン・スマートフォン・カメラ
  • 車・バイク(事業用)
  • 機械・設備
  • 建物・構築物
  • ソフトウェア
  • 家具・備品(一定額以上)

対象にならないもの

  • 土地(価値が減らないため)
  • 取得価額が10万円未満の資産(全額その年の経費に)
  • 棚卸資産(商品・在庫など)

耐用年数とは

耐用年数とは、資産を使用できる期間として国が定めた年数です。資産の種類ごとに法律で決まっており、この年数をもとに毎年の償却額を計算します。

資産の種類主な耐用年数
パソコン4年
普通乗用車6年
事務机・椅子15年
ソフトウェア(業務用)5年
木造建物22年

計算方法:定額法と定率法

減価償却の計算方法には主に2種類あります。個人事業主は原則として定額法を使います。

定額法(個人事業主の原則)

毎年同じ金額を経費にする方法です。

年間償却額 = 取得価額 × 定額法の償却率

【例】100万円のパソコン(耐用年数4年・償却率0.25)の場合
100万円 × 0.25 = 25万円/年(4年間毎年25万円を経費計上)

定率法(届出が必要)

残存価値に一定の率をかけて計算する方法です。初年度の経費が多く、年々減っていきます。使用するには税務署への届出が必要です。

個人事業主が使える特例

① 少額減価償却資産の特例(取得価額40万円未満)

青色申告をしている中小事業者は、取得価額40万円未満の資産であれば、購入した年に全額を一括で経費計上できます(2026年3月31日までに取得したものは原則30万円未満)。

年間の合計上限額は300万円です。パソコンや業務用スマートフォンなど、40万円未満の資産購入が多い個人事業主にとって非常に使いやすい特例です。

② 一括償却資産(取得価額20万円未満)

取得価額が20万円未満の資産は、耐用年数に関係なく3年間で均等に経費計上できます。青色申告でなくても使えるため、白色申告の方にも活用できます。

個人事業主ならではの注意点

  • 事業使用割合で按分が必要:車やパソコンをプライベートでも使う場合は、事業に使った割合だけを経費にします。按分の根拠をメモしておきましょう。
  • 購入日が年の途中の場合は月割り計算:年度途中に購入した資産は、使用開始月から年末までの月数で按分します。
  • 中古資産は耐用年数が短くなる:中古で購入した資産は、新品より耐用年数が短くなるため、早く経費計上できます。
  • 青色申告が特例活用の条件:少額減価償却資産の特例(40万円未満の一括計上)は青色申告者のみ利用できます。

まとめ

減価償却は、高額な資産の購入費用を数年にわたって経費にする仕組みです。正しく理解することで、節税効果を最大限に活用できます。

  • 10万円未満 → 全額その年の経費
  • 20万円未満 → 一括償却資産(3年均等)
  • 40万円未満 → 少額減価償却資産の特例(青色申告者のみ・一括計上)
  • 40万円以上 → 耐用年数にわたって減価償却

高額な資産を購入する予定がある方は、購入時期や金額によって節税効果が変わりますので、事前に検討することをおすすめします。

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