副業やフリーランスで収入を得たとき、「これは事業所得?それとも雑所得?」と迷ったことはありませんか?
実は、どちらに分類されるかによって、税金の計算方法が大きく変わります。赤字を他の収入と相殺できるか、青色申告特別控除が使えるかなど、節税効果に直結する重要な違いがあります。
この記事では、事業所得と雑所得の違いを、副業をしている方やフリーランスの方に向けてわかりやすく解説します。
事業所得と雑所得とは
所得税では、収入の種類によって「所得」が10種類に分類されます。それぞれの定義を確認しましょう。
事業所得とは
農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業などの事業から生じる所得のことです。個人事業主として継続的に事業を行っている場合の収入が該当します。フリーランスのエンジニアやデザイナー、ライターなどの収入も、要件を満たせば事業所得になります。
雑所得とは
10種類の所得のうち、他のどれにも当てはまらない所得のことです。主なものとして、公的年金・副業収入・仮想通貨の売却益などがあります。事業的規模に達していない副業収入は、雑所得として扱われることが多くなっています。
事業所得か雑所得かの判断基準
収入が事業所得になるか雑所得になるかは、主に次の3つのポイントで判断します。
① 継続性・反復性があるか
単発の仕事ではなく、継続的・反復的に行っている活動かどうかがポイントです。毎月コンスタントに仕事を受けているフリーランスは、継続性ありと判断されやすくなります。
② 独立して行っているか
雇用関係ではなく、自分の判断で独立して行っている活動かどうかです。会社員が本業のかたわら、雇われずに行う副業は独立性ありと考えられます。
③ 事業的規模・収益性があるか
収益の規模や、収益を得ることを目的とした活動かどうかも判断材料になります。趣味の延長で得た収入は、事業所得とは認められにくい傾向があります。
2022年の通達改正で変わったこと
2022年に、副業収入の所得区分について国税庁の通達が改正されました。改正のポイントは、副業の収入が年間300万円以下の場合は、原則として雑所得とみなすという方向性が示されたことです。
ただし、次の条件を満たす場合は事業所得として認められる可能性があります。
- 帳簿・書類をきちんと保存している
- 副業に対して継続的な努力・工夫をしている
- 収入が黒字である、または主要な収入源となっているなど実態がある
会計ソフトを使って帳簿をつけ、保存しておくことが、事業所得と認められるための重要な条件になっています。
税金の計算で何が変わる?
事業所得と雑所得では、次のような税務上の扱いが異なります。
| 項目 | 事業所得 | 雑所得 |
|---|---|---|
| 損益通算(赤字の場合) | できる | できない |
| 青色申告特別控除(最大65万円) | 使える | 使えない |
| 純損失の繰越控除(3年間) | できる | できない |
| 記帳・帳簿保存の義務 | あり | 収入300万円超の場合あり |
損益通算ができるかどうかが最大の違い
事業所得の最大のメリットは、赤字になった場合に損益通算ができる点です。たとえば、副業で50万円の赤字が出た場合、事業所得であれば給与所得などと相殺して課税所得を減らすことができます。雑所得の場合はこの相殺ができません。
青色申告特別控除も使えない
事業所得であれば、青色申告を選択することで最大65万円の特別控除を受けられます。雑所得には青色申告の制度が適用されないため、この控除は受けられません。青色申告については、こちらの記事もご参照ください。
まとめ
事業所得と雑所得の違いをまとめると、次のようになります。
- 事業所得:継続的・反復的に独立して行う事業から得た収入。損益通算・青色申告特別控除・純損失の繰越控除など、節税メリットが大きい
- 雑所得:他の所得に当てはまらない収入。副業収入は年間300万円以下であれば原則として雑所得
副業収入を事業所得として認めてもらうには、帳簿をきちんとつけて保存しておくことが重要です。収入の規模や活動の実態によって判断が変わるため、迷う場合は税務署や税理士に相談することをおすすめします。


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