インボイス(適格請求書発行事業者)の登録をしたあと、「やっぱり取り消したい」と思うケースがあります。登録の取り消しには手続きが必要で、期限にも注意が必要です。この記事では、登録取消届出書の提出方法・期限・注意点を解説します。
インボイス登録を取り消すとどうなる?
インボイス登録を取り消すと、適格請求書発行事業者でなくなるため、インボイス(適格請求書)を発行できなくなります。取引先が課税事業者の場合、仕入税額控除ができなくなるため、取引に影響が出る可能性があります。
また、登録を取り消しても、その事業者が免税事業者に戻れるかどうかは別の問題です。基準期間の課税売上高が1,000万円を超えている場合は、登録を取り消しても課税事業者のままです。
登録取消届出書の提出方法
インボイス登録を取り消すには、「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」(登録取消届出書)を所轄の税務署に提出します。
- 所轄税務署の窓口に持参、または郵送で提出
- e-Taxでの電子提出も可能
提出期限と適用時期
登録取消届出書は、取り消しを希望する課税期間の初日から起算して15日前までに提出する必要があります。
| 事業者の種類 | 届出の期限 |
|---|---|
| 個人事業主(課税期間:1月〜12月) | 翌年1月1日から登録を取り消したい場合は、その前年の12月17日までに提出(例:令和9年1月1日から取り消したい場合は令和8年12月17日まで) |
| 法人(3月決算の場合) | 翌課税期間である4月1日から登録を取り消したい場合は、原則として3月17日までに提出 |
期限を過ぎた場合は、翌課税期間からの適用になります。
取り消す際の注意点
- 免税事業者に戻れるか確認する:基準期間の課税売上が1,000万円超の場合は課税事業者のまま。登録を取り消しても消費税の申告は必要
- 取引先への影響を確認する:インボイスを必要としている取引先がある場合、取引条件の見直しが必要になることがある
- 2割特例の終了後に再検討する:令和8年分で2割特例が終了するため、令和9年分からの税負担を試算した上で判断することをおすすめします
- 再登録する場合は改めて申請が必要:再登録する場合は、改めて登録申請書の提出が必要です。登録希望日から起算して15日前までに申請すれば、再登録できる場合があります。ただし、登録に係る経過措置により再登録した場合は、再登録後も一定期間、免税事業者に戻れないことがあるため注意が必要です
- 登録を取り消してもすぐ免税事業者に戻れない場合がある:免税事業者がインボイス登録をしたことで課税事業者になった場合、登録を取り消しても、登録時期によっては一定期間、免税事業者に戻れないことがあります。特に令和5年10月1日後に登録した事業者は、登録日以後2年を経過する日の属する課税期間まで、免税事業者に戻れないケースがあるため注意が必要です
- 課税事業者選択届出書を提出している場合は別途手続きが必要:消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者になっている場合は、インボイスの登録取消届出書だけでは免税事業者に戻れません。別途、課税事業者選択不適用届出書の提出が必要になる場合があります
まとめ
インボイス登録の取り消しは、登録取消届出書を期限(個人事業主が翌年1月1日から取り消したい場合はその前年の12月17日)までに提出することで行えます。ただし、免税事業者に戻れるかどうかは売上高によって異なります。取り消しを検討する場合は、取引先への影響と税負担の試算を行ったうえで、顧問税理士に相談してから判断することをおすすめします。



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