「忙しくて確定申告をしそびれた」「申告が必要だと知らなかった」——そのまま放置すると、本来の税金に加えて無申告加算税や延滞税というペナルティがかかります。この記事では、確定申告をしないとどうなるのか、ペナルティの種類と金額、そして少しでも負担を軽くする方法をわかりやすく解説します。
申告しないとかかるペナルティは主に2つ
期限(原則3月15日)までに確定申告をしなかった場合、本来の税金(本税)に加えて次の2つが上乗せされます。
- 無申告加算税:申告しなかったこと自体への罰金的な税金
- 延滞税:納付が遅れた日数に応じてかかる利息的な税金
無申告加算税の税率|いつ申告するかで大きく変わる
無申告加算税の税率は、「どのタイミングで申告したか」で変わります。税務署に指摘される前に自分から申告するほど軽くなります。
| 申告のタイミング | 税率 |
|---|---|
| 税務調査の連絡(調査通知)が来る前に自主的に申告 | 5% |
| 調査通知の後、調査を受ける前に申告 | 10%(50万円超300万円以下の部分は15%、300万円超の部分は25%) |
| 税務調査を受けた後に申告 | 15%(50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%) |
たとえば納める税金が100万円だった場合、自主的に申告すれば加算税は5万円ですが、税務調査を受けてからだと約17万5,000円(50万円×15%+50万円×20%)まで跳ね上がります。「気づいたら即申告」が鉄則です。
延滞税|遅れた日数分だけ増えていく
延滞税は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じてかかります。2026年(令和8年)中の割合は次のとおりです。
- 納期限の翌日から2ヶ月以内:年2.8%
- 2ヶ月を超えた部分:年9.1%
2ヶ月を過ぎると割合が3倍以上になるため、放置する期間が長いほど負担が雪だるま式に増えていきます。
お金以外のデメリットも大きい
- 青色申告特別控除が減る:期限後申告では65万円(75万円)控除が使えず、10万円控除になってしまいます。詳しくは「青色申告って何がお得?」をご覧ください
- 青色申告の承認取消しのリスク:2年連続で期限後申告になると、青色申告が取り消されることがあります
- 無申告を繰り返すと加算税がさらに10%上乗せされる場合があります
- 国民健康保険料の算定や住宅ローン審査に必要な証明書類が出せないなど、生活面の支障もあります
気づいたときの対処法
期限を過ぎていても、確定申告書はいつでも提出できます(期限後申告)。税務署から連絡が来る前に自主的に申告すれば、無申告加算税は5%で済み、条件によっては課されないこともあります。たとえば、法定申告期限から1か月以内に自主的に期限後申告し、期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合には、無申告加算税がかからないことがあります。期限後申告では、申告書を提出した日が納期限になるため、提出と同じ日に納税まで済ませましょう。
すぐに全額納付できない場合でも、申告書の提出は先に行いましょう。そのうえで、税務署に納付相談を行い、分割納付や納税の猶予が使えないか確認します。申告しないまま放置するより、申告だけでも先に済ませた方がリスクを抑えられます。
なお、税金が戻ってくる側の申告(還付申告)にはペナルティはなく、対象の年の翌年1月1日から5年間さかのぼって提出できます。
悪質な場合は「重加算税」の対象に
なお、単なる申告忘れではなく、売上を隠したり、架空経費を入れたりした場合は、無申告加算税ではなく重加算税の対象になることがあります。意図的な隠ぺい・仮装がある場合は、ペナルティが大きく重くなります。「うっかり忘れ」と「意図的なごまかし」はまったく別物として扱われる点に注意しましょう。
まとめ
確定申告をしないと、無申告加算税(通常は5%〜30%)と延滞税が本来の税金に上乗せされます。さらに、無申告を繰り返している場合や帳簿に不備がある場合は、追加で加重されることがあります。2026年(令和8年)中の延滞税の割合は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、2か月を超えた部分が年9.1%ですが、延滞税率は年によって変わるため最新の割合を確認しましょう。ただし、税務署に指摘される前に自主的に申告すれば加算税は5%まで下がります。「忘れていた」と気づいた時点で、1日でも早く申告・納税することが最大の防御策です。



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