自家用車を仕事にも使っている個人事業主は、ガソリン代や車検代、保険料などを経費にできます。ただし、プライベートでも使う場合は「家事按分」が必要です。この記事では、車に関する費用の経費化と按分の方法をわかりやすく解説します。
経費にできる車関連の費用
- ガソリン代・軽油代
- 車検代・点検費用・修理代
- 自動車保険料(任意保険・自賠責保険)
- 自動車税・重量税
- 駐車場代・高速道路料金
- 洗車代
- タイヤ・オイル・バッテリー交換費
- ロードサービス料
- 車庫・月極駐車場代
- カーローンの利息部分(元本は対象外)
- 車両本体(減価償却)
カーローンの元本返済は経費になりません。利息部分のみ、事業割合に応じて必要経費にします。
家事按分が必要
自家用車を仕事とプライベートの両方で使っている場合、これらの費用の全額は経費にできません。事業で使った割合だけを経費にします。
【例】事業割合が60%の場合
年間のガソリン代20万円 × 60% = 12万円が経費
按分割合の決め方
車の事業割合は、次のような基準で合理的に決めます。
- 走行距離で按分:事業の走行距離 ÷ 総走行距離(最も説明しやすい)
- 使用日数で按分:週・月のうち仕事で使う日数
走行距離での按分が最も根拠が明確です。営業や配達など走行距離を記録しておくと、税務調査でも説明しやすくなります。
費用ごとに割合を変えられる場合もある
同じ車に関する共通費用には、継続して同じ事業割合を使うと説明しやすくなります。ただし、費用の内容から事業分を直接区分できる場合は、費用ごとに異なる割合や金額を用いることもできます。
例えば、次の処理には合理性があります。
- ガソリン代・保険料・自動車税:年間走行距離で按分
- 得意先訪問時の高速料金:事業目的が明確なら全額
- 休日の旅行で利用した高速料金:全額家事費
- 取引先近くの時間貸駐車場:事業目的が明確なら全額
- 自宅駐車場:事業割合で按分
根拠なく都合よく割合を変えるのは問題ですが、すべて同じ割合でなければならないわけではありません。
車両本体は減価償却で経費化
車両本体は、取得価額と耐用年数を基に年間の減価償却費を計算し、そのうち事業割合に対応する金額を必要経費にします。
年間の減価償却費30万円 × 事業割合60% = 必要経費18万円
なお、中古車を購入した場合は、耐用年数の計算方法が新車と異なります。
車検代は内訳ごとに処理する
車検時の支払額には、整備費、自賠責保険料、自動車重量税、検査手数料などが含まれます。明細を確認し、修繕費・保険料・租税公課・支払手数料などに分けて処理します。自賠責保険料などが翌年以降の期間に対応する場合は、前払費用として期間配分を検討します。
初心者向けには、細かく分けず「車両費」で統一する方法もありますが、消費税区分が異なる点に注意が必要です。
経費にならないもの
交通反則金や罰金は、業務中の違反であっても必要経費にはできません。私用で走行したガソリン代、高速料金、駐車料金なども家事費です。カーローンの元本返済も経費になりません。
走行記録に残す項目
次の項目を記録すると実務で使いやすくなります。
- 日付
- 出発地・目的地
- 訪問先
- 業務目的
- 出発時と到着時のメーター
- 事業走行距離
- 年初・年末の総走行距離
事業割合は一度決めたままにせず、働き方や車の使い方が変わった場合は見直します。
事業専用車の場合
事業専用として保有し、実際にも私用していない車であれば、原則として関連費用の全額を経費にできます。ただし、事業用名義で購入しただけでは足りず、実際の使用状況が重要です。
消費税の注意点
消費税の課税事業者は、ガソリン代や修理代、保険料、自動車税などで消費税区分が異なる点に注意します。所得税上はすべて車関係の費用でも、消費税申告では同じ処理にはなりません。
まとめ
- 車の共通費用は、走行距離など合理的な基準で家事按分する
- 業務目的を直接確認できる高速代・駐車料金は、個別に区分できる
- 減価償却費を計算した後、事業割合を掛けて必要経費を求める
- 車検費用は整備費、保険料、税金などに分かれている
- ローン元本や交通反則金は経費にならない
- 日付、目的地、目的、走行距離を記録する
- 事業専用車でも、実際に私用していないことが必要


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