クレジットカードで経費を支払ったとき、「利用した日」と「口座から引き落とされる日」のどちらで経費計上すればよいか迷う方は多いです。結論から言うと、原則は「利用日(購入日)」です。この記事でわかりやすく解説します。
原則は「商品を受け取った日・サービス提供日」で計上
経費を計上するタイミングは、原則として商品を受け取った日やサービスの提供を受けた日です。引落日ではありません。多くの場合はカード利用日と一致しますが、予約・前払いなどでは一致しないことがあります。
これは「発生主義」という考え方によるもので、取引が発生した時点で費用を計上するのが原則だからです。カードを切った日だけで判断すると、前払費用や未着の商品を誤って経費にする可能性があります。
仕訳の例
【例】12月20日にカードで備品1万円を購入、引落しは翌年1月27日の場合
| 日付 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 12/20(利用日) | 消耗品費 10,000 | 未払金 10,000 |
| 1/27(引落日) | 未払金 10,000 | 普通預金 10,000 |
利用日にいったん「未払金」として計上し、引落日に未払金を消す、という流れです。
カード利用日に全額経費にできないケース
次のような場合は、利用日に全額を経費計上するとは限りません。前払費用、固定資産、棚卸資産などとして処理します。
- 翌年分の保険料やサービス料を前払いした
- 商品の発送・納品が翌年になった
- パソコンなど固定資産に該当するものを購入した
- 販売用の商品を仕入れ、期末に在庫として残っている
個人カードで支払った場合
事業用口座から引き落とされるカードの場合は、利用時に「未払金」を計上します。個人事業主が個人名義のカードで支払い、個人口座から引き落とされる場合は、一般に次のように処理します。
消耗品費 10,000円 / 事業主借 10,000円
この場合、個人口座からの引落時に事業帳簿上の仕訳をする必要はありません。
分割払い・リボ払いの場合
分割払いやリボ払いでも、消耗品などは原則として購入時に本体価格を計上します。毎月の引落額を少しずつ経費にするわけではありません。分割手数料や利息相当額は、本体代金と分けて支払利息・支払手数料などで処理します。
ただし、固定資産は購入代金をそのまま経費にせず、減価償却等を検討します。
年をまたぐときは特に注意
個人事業主は1月〜12月で区切って確定申告します。12月にカードで購入し、引落しが翌年1月というケースでは、購入した12月の経費になります。引落日基準にすると、計上する年がずれてしまうので注意しましょう。
現金主義の特例に注意
一定の小規模な青色申告者が、事前に届出をして現金主義による所得計算の特例を適用している場合は、通常と計上時期が異なります。自分の判断で引落日基準を選べるわけではなく、届出が必要です。
インボイス制度の注意点
クレジットカード会社の利用明細は、通常、カード会社が発行した支払一覧であり、購入先が発行する適格請求書ではありません。消費税の仕入税額控除を受ける場合は、原則として購入先のレシート、領収書、請求書などの適格請求書を保存する必要があります。
電子データの保存
ネット通販などで領収書や請求書をPDF・メール・Web画面で受け取った場合は、電子帳簿保存法に従い、原則として電子データのまま保存します。カード明細だけでなく、注文内容が分かるデータも合わせて保存しましょう。
まとめ
- 原則は引落日ではなく、商品を受け取った日・サービス提供日
- 通常は利用日に未払金を計上し、引落日に未払金を消す
- 個人カード・個人口座で支払った場合は「事業主借」を使用する
- 前払い、固定資産、期末在庫は利用日に全額経費にならない場合がある
- 分割払いでも、本体代を毎月少しずつ経費にするわけではない
- カード明細に加え、購入先のレシートや適格請求書を保存する



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