社員への食事補助は、一定の要件を満たせば給与として課税されずに会社の経費(福利厚生費)にできる制度があります。令和8年度税制改正でこの非課税限度額が月額3,500円から月額7,500円に倍増以上の引き上げとなり、約40年ぶりの見直しとして注目されています。
本記事では、食事支給を非課税にするための要件と、令和8年4月からの改正内容をわかりやすく解説します。
食事支給の非課税制度とは
会社が役員や従業員に食事を支給(社員食堂、仕出し弁当、食事補助など)した場合、本来は「現物給与」として所得税の課税対象になります。ただし、次の2つの要件を両方満たす場合は、給与として課税されません。
- 役員・従業員が食事の価額の半分以上を負担していること
- 会社の負担額(食事の価額-本人負担額)が1か月当たり7,500円(消費税抜き)以下であること
この「7,500円」が、令和8年3月までは「3,500円」でした。令和8年4月1日以後に支給する食事から、新しい限度額が適用されます。
| 改正前(令和8年3月まで) | 改正後(令和8年4月から) | |
|---|---|---|
| 会社負担の非課税限度額 | 月額3,500円以下 | 月額7,500円以下 |
| 本人負担の要件 | 食事の価額の半分以上を負担(変更なし) | |
具体例で確認
例1:非課税になるケース
1か月の食事の価額が14,000円で、従業員が7,000円を負担している場合
- 本人負担:7,000円 → 半分以上を負担 ○
- 会社負担:14,000円-7,000円=7,000円 → 7,500円以下 ○
- → 課税されません(改正前は3,500円超のため課税対象でした)
例2:課税されるケース
1か月の食事の価額が20,000円で、従業員が8,000円を負担している場合
- 本人負担:8,000円 → 半分(10,000円)未満 ×
- → 要件を満たさないため、会社負担の12,000円(20,000円-8,000円)全額が給与として課税されます
要件を1つでも満たさない場合は、限度額までではなく会社負担額の全額が課税対象になる点に注意してください。
食事の価額の計算方法
- 仕出し弁当などを購入して支給:業者に支払った金額
- 社員食堂などで会社が調理して支給:材料費など食事を作るために直接かかった費用の合計額
残業・宿直時の食事は全額非課税
残業または宿直・日直を行う際に支給する食事は、上記の要件にかかわらず、無料で支給しても課税されません。
深夜勤務者への夜食代(金銭支給)も引き上げ
食事補助を「現金」で支給すると原則として給与課税されますが、例外として、深夜勤務者に夜食の現物支給ができないために金銭を支給する場合は、1食当たり650円(消費税抜き)以下であれば課税されません。この金額も令和8年度改正で300円から650円に引き上げられました(令和8年4月1日以後支給分から)。
会社側のメリットと注意点
- 非課税の食事補助は福利厚生費として損金算入でき、従業員は所得税・住民税の負担なく食事補助を受けられる
- 給与で同額を支給するより、会社・従業員双方の税負担を抑えられる
- 役員にも適用可能(要件は従業員と同じ)
- 本人負担額の徴収記録(給与天引きなど)を残しておくことが大切
- 現金で「食事手当」として支給すると、深夜勤務の例外を除き全額給与課税になる
まとめ
- 食事支給は「本人が半分以上負担」かつ「会社負担が月7,500円以下」で非課税
- 非課税限度額は令和8年4月1日以後支給分から3,500円→7,500円に引き上げ
- 深夜勤務者への夜食代(金銭)も1食300円→650円に引き上げ
- 残業・宿直時の食事は無料支給でも非課税
- 要件を外れると会社負担額の全額が給与課税になるので注意
物価高で食費の負担が増えるなか、従業員の手取りを減らさずに支援できる使い勝手のよい制度です。詳細は国税庁HP(タックスアンサーNo.2594)でご確認ください。


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