「配偶者がパートで働いているけど、控除は受けられる?」「子どもが大学生になったら扶養控除はどうなる?」——配偶者控除・扶養控除は多くの人が関係する所得控除ですが、仕組みがわかりにくいと感じる方も多いです。この記事では、それぞれの要件・控除額・注意点をわかりやすく解説します。
配偶者控除とは
配偶者控除とは、生計を一にする配偶者の所得が一定額以下の場合に、納税者本人の所得から一定額を差し引ける制度です。所得税と住民税の両方に適用されます。
適用要件
- 民法上の配偶者であること(内縁関係は対象外)
- 生計を一にしていること
- 配偶者の合計所得金額が58万円以下(給与収入のみの場合は123万円以下)※令和7年分以降
- 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下
- 青色申告の事業専従者として給与の支払いを受けていないこと、または白色申告の事業専従者でないこと
控除額
控除額は納税者本人の所得に応じて異なります。
| 本人の合計所得 | 控除額 (一般) | 控除額 (老人配偶者70歳以上) |
|---|---|---|
| 900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
| 900万円超〜950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
| 950万円超〜1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
配偶者特別控除とは
配偶者の所得が58万円を超えると配偶者控除は受けられませんが、合計所得が133万円以下であれば「配偶者特別控除」が適用されます(令和7年分以降)。控除額は配偶者の所得が増えるにつれて段階的に減少し、最大38万円です。(本人の所得1,000万円以下が条件)
控除額の詳細は国税庁「配偶者特別控除」をご参照ください。
扶養控除とは
扶養控除とは、16歳以上の扶養親族(子ども・親など)がいる場合に所得から差し引ける控除です。扶養親族の年齢や同居状況によって控除額が異なります。
扶養親族の要件
- 6親等内の血族または3親等内の姻族であること
- 生計を一にしていること
- 合計所得金額が58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)※令和7年分以降
- 年齢が16歳以上であること(15歳以下は対象外)
- 青色申告の事業専従者として給与の支払いを受けていないこと、または白色申告の事業専従者でないこと
扶養控除の種類と控除額
| 区分 | 対象年齢 | 控除額(所得税) |
|---|---|---|
| 一般の扶養親族 | 16歳以上 | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満 | 63万円 |
| 老人扶養親族(その他) | 70歳以上 | 48万円 |
| 同居老親等 | 70歳以上の直系尊属で同居 | 58万円 |
特定扶養親族(19〜22歳)の控除額が63万円と大きいのは、大学の学費などで支出が多い時期に配慮したためです。
特定親族特別控除(令和7年分以降・新設)
令和7年分以降、19歳以上23歳未満の親族について、合計所得金額が58万円を超えて123万円以下の場合でも、「特定親族特別控除」を受けられる制度が新設されました。控除額は親族の所得に応じて段階的に減少します。これにより、大学生の子どもがアルバイトで58万円超の所得を得た場合でも、123万円以下であれば一定の控除が受けられます。給与収入のみの場合は、123万円超〜188万円以下が対象の目安です。
| 特定親族の合計所得金額 | 控除額 |
|---|---|
| 58万円超 85万円以下 | 63万円 |
| 85万円超 90万円以下 | 61万円 |
| 90万円超 95万円以下 | 51万円 |
| 95万円超 100万円以下 | 41万円 |
| 100万円超 105万円以下 | 31万円 |
| 105万円超 110万円以下 | 21万円 |
| 110万円超 115万円以下 | 11万円 |
| 115万円超 120万円以下 | 6万円 |
| 120万円超 123万円以下 | 3万円 |
配偶者控除・扶養控除の判定ライン(令和7年分以降)
令和7年分以降、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられ、配偶者控除・扶養控除の判定に使う合計所得金額の要件も58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)に引き上げられました。
給与収入が123万円の場合、給与所得控除65万円を差し引いた給与所得は58万円です。この58万円が控除の判定に使われます。所得がゼロになるわけではない点にご注意ください。なお、本人自身に所得税がかかるかどうかは基礎控除なども含めて別途判定するため、すべての場面で「123万円」が一律の壁になるわけではありません。
注意点
- 所得と収入の違いに注意:控除の判定基準は「収入」ではなく「合計所得金額」です。給与収入の場合は給与所得控除を差し引いた後の金額で判定します。
- 年末時点の状況で判定:その年の12月31日時点の状況で適用の可否を判断します。年途中に配偶者が亡くなった場合でも、その年は控除を受けられます。
- 住民税の控除額は異なる:住民税の控除額は所得税と異なります。たとえば一般の配偶者控除は所得税38万円に対し、住民税では33万円です。扶養控除も所得税より少ない金額になります。
- 社会保険の扶養とは別の話:税法上の扶養と健康保険・年金の扶養(被扶養者)は別の制度です。社会保険の扶養は年収130万円未満が目安ですが、税法上の扶養とは基準が異なります。
- 個人事業主の専従者は対象外:専従者給与を支払っている場合、その配偶者・親族は配偶者控除・扶養控除の対象になりません。
まとめ
配偶者控除・扶養控除は、要件を満たせば所得税・住民税を大きく減らせる控除です。特に特定扶養(19〜22歳)の63万円は節税効果が高く、大学生の子どもがいる家庭では見落とさず活用しましょう。
令和7年分以降、配偶者控除・扶養控除の判定基準は合計所得58万円以下・給与収入123万円以下です。給与収入123万円以下であれば、給与所得控除65万円を差し引いた後の合計所得金額が58万円以下となり、所得要件を満たします。副業収入や複数の給与がある場合は合計所得の計算に注意が必要です。不明な点は税理士や税務署にご相談ください。


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