個人事業主が事業で使うスマホ代やインターネット代は経費にできます。ただし、プライベートでも使っている場合は全額ではなく、事業で使った割合だけが経費になります。この記事では「家事按分」の考え方と目安をわかりやすく解説します。
事業で使った分だけが経費になる
スマホやインターネットを仕事とプライベートの両方で使っている場合、料金の全額は経費にできません。事業で使っている割合(事業割合)を見積もり、その分だけを「通信費」として経費にします。これを家事按分といいます。
なお、法律で定められた一律の按分割合(「50%まで」など)はありません。実際の使用状況に基づいて、合理的に決める必要があります。
按分割合の決め方
事業割合は「合理的な基準」で決める必要があります。スマホの場合、仕事をする日にもプライベートで使用することが多いため、「使用日数で按分」では説明しにくいケースがあります。次のような基準を参考にしてください。
スマホの場合
- 通話履歴や利用時間(仕事用通話の割合)
- スクリーンタイムなどの使用状況
- 仕事用アプリ・通話・データ通信の利用割合
インターネット回線の場合
- 使用時間の割合
- 利用者数(家族と共有している場合)
- 仕事専用スペースの状況(自宅に仕事部屋がある場合など)
税務調査で聞かれたときに「なぜこの割合なのか」を説明できることが大切です。根拠のメモを残しておきましょう。
全額経費にできるケース
- 仕事専用として契約し、実際にもプライベートで使用していないスマホ・回線は、原則として全額を経費にできます。
- 事務所専用のインターネット回線も、全額を経費にできます。
契約名義や別契約というだけでなく、実際の使用実態が重要です。プライベートと分けたい場合は、仕事用に別契約すると按分の手間がなくなり、説明もしやすくなります。
端末代と通信料金は分けて考える
毎月の通信料金は、事業で使用した割合を「通信費」として経費にします。一方、スマホ本体の購入代金は、取得価額によって購入時に経費にできる場合と、固定資産として減価償却する場合があります。
分割払いで購入していても、毎月の支払額をそのまま通信費にするとは限りません。請求書の内訳を確認し、端末代と通信料金を分けて処理しましょう。
請求書の全額が通信費とは限らない
キャリア決済による買い物、動画配信サービス、端末補償、家族の回線などが請求書に含まれている場合は、内容ごとに経費性を判断します。請求額の全額に按分割合を掛ければよいとは限りません。
先に私用サービスや家族分などを除外してから、事業割合で按分するのが正しい順序です。
按分割合の具体例
【例】月額8,000円のうち、端末補償500円を含むスマホ料金を事業60%、私用40%で使用している場合
- 事業に必要な料金が全体のとき:8,000円 × 60% = 4,800円を通信費として計上
- 私用のサービスやキャリア決済が含まれている場合は、先にその金額を除外してから按分します
保存しておく資料
請求書や利用明細に加えて、按分割合を決めた根拠を保存しておきましょう。毎月細かく測定することが難しい場合は、代表的な1か月の利用状況を記録し、その結果を基準にする方法も考えられます。働き方が変わったときは割合を見直します。
国税庁も、家事関連費について業務上必要な部分を明確に区分できることを必要経費算入の基本としています(国税庁「やさしい必要経費の知識」)。
まとめ
- 仕事とプライベートで兼用している場合は、合理的な事業割合だけを経費にする
- 法律で決められた一律の按分割合はない
- 請求書から私用サービスや家族分などを除外して按分する
- 按分割合の計算根拠と利用明細を保存する
- 仕事専用で、実際に私用していない回線は原則として全額経費にできる
- スマホ本体代は通信料金と分けて処理する



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