税金の申告や届出の期限が土曜日・日曜日・祝日に当たったとき、「翌日の月曜日でいいはず」と考えていませんか。
確かに、多くの申告や届出は休日なら次の平日まで延びます。ところが、消費税の届出書などには、休日でも延びないものがあります。延びると思い込んで1日遅れると、翌課税期間から制度を利用できず、さらに次の課税期間まで待つことがあります。この記事では、延びるもの・延びないものの代表例を整理します。
※ 本記事は国税の期限を扱います。地方税は、自治体や手続によって取扱いが異なる場合があります。
原則:期限が休日なら次の平日等まで延びる
国税通則法では、申告・申請・届出・納付などの期限が、次の日に当たる場合は、その翌日が期限になると定めています。休日が続く場合は、休日明けの平日まで延びることになります。
- 日曜日、祝日などの休日
- 土曜日
- 12月29日〜31日(年末の休み)
たとえば、所得税の確定申告期限の3月15日が日曜日なら、翌日の3月16日(月)が期限になります。
休日でも延びないものがある
ただし、この「翌日に延びる」ルールが使えるのは、法律で「〇月〇日まで」「〇日以内」などの期限として定められているものです。
消費税の選択届出書のように、「適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで」に出すと、翌課税期間から効力が生じる、という形で定められているものは、提出の期限ではなく、効力が生じるための条件と考えられています。そのため、その日が休日でも延びません。
| 区分 | 主な例 | 休日の扱い |
|---|---|---|
| 延びる | 所得税・法人税・消費税の確定申告書 青色申告承認申請書(3月15日まで など) 源泉所得税の納付(10日まで) インボイスの登録申請書(課税期間の初日から登録を受ける場合の「15日前の日」) | 次の平日等まで延びる |
| 延びない | 消費税課税事業者選択届出書・同不適用届出書 消費税簡易課税制度選択届出書・同不適用届出書 消費税課税期間特例選択届出書 適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書(15日前の日まで) | 延びない(その日までに提出が必要) |
国税庁のタックスアンサーでも、消費税の届出書について、提出期限が日曜日などの休日に当たる場合でも、その日までに提出がなければ規定の適用を受けられないと注意しています。
注意:「15日前」という表現がある手続でも、登録申請と登録取消しでは休日の取扱いが同じとは限りません。国税庁の資料では、課税期間の初日から登録を受けるための登録申請書は、15日前の日が土日祝日なら翌日まで、登録取消しの届出書は土日祝日でも延びない、とされています。届出書ごとの提出時期を国税庁の案内で確認してください。
特に注意したい「12月31日」
個人事業主と12月決算の法人は、翌年から消費税の課税事業者や簡易課税を選ぶ場合、12月31日までに届出書を出す必要があります。12月31日は毎年、年末の休み(税務署の閉庁日)ですが、翌年1月の休み明けまで延びることはありません。
閉庁日でも、次の方法なら12月31日までに提出できます。
- e-Taxで送信する(休日でも送信可能。送信した日に提出したことになる)
- 郵便または信書便で送る。通信日付印(消印)の日に提出したとみなされるので、消印が12月31日以前になるよう、郵便局の窓口や、ポストの最終取集時刻を確認して差し出す
ポストに入れた時刻によっては、回収が翌年になり、消印が翌年の日付になることがあります。また、届出書は「信書」にあたるため、宅配便などの荷物扱いで送ることはできず、その場合は通信日付印の日を提出日とする取扱いも受けられません。ぎりぎりの提出は避け、12月中旬までに出しておくのが安全です。
インボイスの登録取消しの「15日前」
インボイス発行事業者が、翌課税期間の初日から登録の効力を失わせるには、原則として、その初日から起算して15日前の日までに「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出する必要があります。
個人事業者が翌年1月1日から登録の効力を失わせる場合は、原則として12月17日までに提出します。この日が土日祝日でも翌日には延びません。12月18日以後に提出すると、取消しは翌々課税期間の初日からになります。
※ インボイス登録の取消しと、消費税の免税事業者になることは別の判定です。登録を取り消しても、基準期間の課税売上高、過去に出した課税事業者選択届出書、登録した時期(登録日から2年を経過する日の属する課税期間までは課税事業者となる場合があります)などによっては、引き続き課税事業者となります。
延びるものでも、早めの提出がおすすめ
- 期限が延びても、納付の期限が同じように延びるのか、口座振替の日がいつになるのかは別に確認する
- 休日明けの税務署は窓口が混みやすい
- e-Taxは休日も使えるが、メンテナンスで止まる日もある
まとめ
- 申告・申請・届出の期限が土日祝日・年末の休みに当たる場合は、次の平日等まで延びるのが原則(国税の場合)
- ただし、消費税の選択届出書(「課税期間の初日の前日まで」)や、インボイスの登録取消しの届出書(「15日前の日まで」)は延びない
- 同じ「15日前」でも、インボイスの登録申請は延びるなど、手続ごとに扱いが違う
- 個人事業主・12月決算法人の消費税の選択届出書は、12月31日が閉庁日でも延びない。郵便なら消印が12月31日以前になるよう窓口や取集時刻を確認する
- インボイス登録を取り消しても、免税事業者に戻れるとは限らない
- 延びるか迷ったら、延びないものとして早めに出すのがいちばん安全
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